これは、子どもたちにネガティブなことが起きたときに、家族の前で「声に出してもOKなんだ」ということをわかってもらうためです。子どもたちも成長していくにつれて、友達とけんかしたり学校に行きたくないことがあったり、先生に叱られたりとしんどいことを経験するでしょう。そんなとき、家族の前で「あーあ」と言えたら、それだけで発散できる。これは大切にしたいと思っていることです。
僕も「あー、今日は仕事に行きたくないなー」なんて子どもの前で言うと、いちばん下の息子が「じゃあ、行かなくていいよ」と言ってくれる。それだけで心があたたかくなります。「え? いいの? でも、お父ちゃんがお仕事行かないとアイスが買えなくなっちゃうけどそれでもいい?」と聞くと「それはだめ」と言われますが(笑)。
こんなふうに「なんでも話せる」という環境づくりを率先しておこなっているので、子どもたちは家の中で「ああ、嫌だなー、明日マラソンがあるー」なんてネガティブ発言も聞かせてくれます。

――ネガティブな気持ちって、家族にもなかなか言いにくいときがあります。
そうですよね。そこで日常から子どもと「なにげない会話」をたくさんしておくことって、とても大切だと思うのです。
たとえば、子どもが好きなゲームを見て、「あ、またゲームやってる」というのではなく、そのゲームについてちょっとだけ興味を持ってみるのです。そのうえでいっしょに会話をしてみるのはどうでしょう。僕も、長男がトレーディングカードにハマったときは一緒にやりました。「なにそれ、新しいやつ? へーめっちゃいいじゃん」なんて。
同じようにちょっと「話しにくい」ことも、子どもの興味を知っていたり、日常の親子の会話が豊富だったりするとスムーズです。たとえば「性教育」の話も、子どもが昆虫が好きなら昆虫を入り口に踏み込んでみるとか。そのためには、子どもがどんなことが好きで、興味をもっているか。知っておくことが大前提ですよね。
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