新しい環境や生活が始まる新学期。主に新1年生、2年生に起こりうる「ピンチ!」と対処法について、横浜市教育委員会指導主事の相澤仁哉さん、臨床心理士の吉田美智子さんに聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2025年春号」(朝日新聞出版)からお届けします。

MENU 授業中じっと座れないかも 給食の時間がこわい 親が付き添わないと登校しない

授業中じっと座れないかも

 「園と小学校の大きな違いは“自由度”です。園では自分の好きなことをする時間がたっぷりあったとしても、学校では必ずしもそうではありません。授業中にじっと座っていることが苦手な子どももいます。私は一昨年まで教員を務めていましたが、そうした子どもに対しては、ゆっくりとしたペースで改善を目指していきました。

 朝登校してから授業が始まるまで、自由遊びの時間にする学校もあります。本人の思いを聞いたうえで、気持ちを切り替える時間や場所はないか、学校に相談してみてもいいかもしれません」(相澤さん)

 「衝動性が強く、落ち着きがないように見えるお子さんもいます。授業中に限らず、子どもが自分で行動をコントロールする力をつけるには、叱ったり、無理やり我慢をさせたりしないことが重要です。

 親御さんができるサポートとしては、例えば電車で出かけるとき、『駅に着くまで15分静かにしてみよう』と見通しを伝えてみること。そうやって少しずつ成功体験を重ね、親子で一緒に喜びます。すぐにはうまくいかなくても、成長とともに少しずつできるようになるので大丈夫ですよ」(吉田さん)

給食の時間がこわい

 「給食の時間は通常20分ほどですが、1年生の最初のうちは30分程度確保しています。だんだんと時間内に食べられるようになるといいですね。また、今は『給食を残すのは絶対ダメ』という教育は基本的にしません。ただ、給食の調理員さんや、食材の生産者さんへの感謝の気持ちを育むために、一口だけでも食べてみようと促すことはあります」(相澤さん)

 「子どもによっては『においが家のご飯と違う』と感じ、給食に苦手意識を持つようです。でも、親御さんが入学前から心配しすぎるのは禁物です。『どんなご飯か楽しみだね』など、ポジティブな方向で話してみてください」(吉田さん)

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越膳綾子
ライター 越膳綾子
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