プリントや教科書など、子どもの日々の持ちものはさまざまですが、親が頭を悩ませているのが「忘れ物」。わが子が忘れ物をしないようにするには、どうしたらいいのでしょう? 臨床心理士、公認心理師である中島美鈴さんの著書『マンガでわかる 精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください』(主婦の友社)から、そのヒントを紹介します。

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どうすれば忘れない?忘れ物ゼロにする三つの条件

 まずは「どのようにして忘れ物が発生しているか?」の原因を親子で突き止めていきましょう。本来、次の三つができていれば「忘れ物ゼロ」は達成できるはずです。

(1)必要なものをすべて、家から学校に持っていく(自宅で)

(2)学校から帰るときに、必要なものを家に持ち帰る(学校で)

(3)持ち帰ったものを分類して置き場所におく(自宅で)

 さて、お子さんはこの三つのうちのどこでつまずいていますか? 全部? はい、そのとおり。忘れ物の多い子は、だいたい全部の過程でつまずいています。「忘れ物をしないでね」と大枠で指示したところで、いったい何から手をつけていいのかわかるはずがありません。(1)~(3)の順を追いながら、「どのように忘れるのか」を見つけていきましょう。

 そのためにも、子どもに「現場でどう動いているのか」をリアルに再現してもらうといいですね。このとき大事なのは「えー? そんなんじゃダメじゃない」などと正直な感想をけっして言わないことです。親に叱られると思うと、子どもは事実を隠してしまい、改善すべき点が見えなくなります。

 子どもの行動の中身を確認したら、そのどこに落とし穴があるのかを考えましょう。

 たとえば、子どもがプリントをもらった直後にランドセルに突っ込んでいることがわかったら、「プリントを連絡袋に入れずランドセルにじか入れするから、プリントが地層化する」という原因に気づけます。この観点が必要なのです。

 原因がわかったら、次のステップです。「どうすればしまえる?」「どうすれば、めんどうくさいと思わない?」「今よりほんのちょっとでもラクできる方法を考えよう!」と子どもと相談しましょう。このとき注意したいのは、「気をつける」などの精神論にしないことです。改善策は必ず「行動」に落とし込みましょう。

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