家族旅行には賞味期限がある!タイミングを逃さない

 拙著『子どもの心と脳がぐんぐん育つ~旅育BOOK』の冒頭に、星野リゾート代表の星野佳路氏と筆者の対談ページがあります。星野氏が自身の幼少時代の家族旅行や、父親目線で息子さんとの家族旅行を語られているのですが、なかでも読者の共感を得ているのが「家族旅行には賞味期限がある」という言葉です。

「夏休みは毎年ありますが、『小学校1年生の夏休み』は一度だけ(星野氏)」という通り、子どもの成長は早く、興味や関心、そして親子の関係もめまぐるしく変化します。家族旅行は「タイミング」が大事です。忙しいからと先延ばしにしていると、あっという間に子どもは成長し、機会を逃してしまうことも少なくありません。「子どもとこんなことをしたい」「子どもの興味があるから〇〇を体験しよう」など、その瞬間の思いを大切にし、家族旅行をしてほしいと思います。

まとめ

 新たな体験の機会が閉ざされた「コロナ禍」では、多くの親御さんが子どもの成長への影響を心配し、切ない思いをしたことと思います。2023年5月にコロナが第5類感染症へ移行したのを受け、急速に日常生活が回復。国内外問わず自由にでかけ、様々な体験をし、人と交流ができるようになりました。コロナ禍で経験ができなかった分も、多様性を知り視野を広げる体験を、ぜひ家族で多く持ちましょう。

「旅育は時間とお金がかかる」という声も聞かれますが、旅育は「どこへ行くか」より「何をするか」が重要です。近場へのおでかけでも予算をさほどかけなくても、実践できることが多くあります。10回にわたる本連載も参考に、楽しみながら工夫し、子どもの生きる力を育む「旅育」にチャレンジしてみませんか? 親子の楽しい旅の思い出、旅での成功体験や育まれた興味・関心は、子どもが自分らしい人生を歩む上で支えとなり、年月を経ても色あせない家族の宝物となります。

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