慶應の環境情報学部は、都内から離れた湘南藤沢キャンパスにあって、アイドル活動との両立はさらに大変にはなりましたが、充実していました。さまざまな分野の先生がいて、メディア論、防災学、イスラム文化、西洋建築、ライティング技法など、その時に興味をもったことを、専門の先生に聞いて幅広く学べました。その経験は、今、ラジオパーソナリティとして、さまざまな分野の専門家に先生にお話を伺うときに役立っています。

逃げるための努力をして、チャンスをつかんだ自分をほめてあげたい
――最後に、中学受験を考えている小学生やご家庭の皆さんにメッセージをお願いします。
私は、中学受験をしたおかげで、運良くクラスメイトにも先生にも恵まれて、充実した中学・高校時代を送れました。それが大学にも、今の仕事にもつながっています。中学受験は、当時の私にとって、自分の意志で、自分の仲間や学ぶ環境を選べる、唯一の手段でした。そのチャンスをつかみにいかせてくれた両親に感謝しています。
それは「逃げ」だったかもしれないけれど、逃げたほうがいい時もあるし、逃げるための努力をして、チャンスをつかんだ自分を、よくがんばったねとほめてあげたいです。すべての小学生にそれがあてはまるとは思いませんけど、もしも、「逃げていいのかな?」と迷っている人がいたら、「進んだ先を正解にしていけるかどうかは将来の自分次第だよ」と、背中を押してあげたいですね。

(取材・文/十枝慶二)
※前編〈山崎怜奈が振り語る中学受験「合格すればこの環境から逃げられる。退路を断って勉強しました」〉から続く
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