人気アイドルグループ乃木坂46のメンバーとして活動し、卒業後の現在はラジオのパーソナリティなどで幅広く活躍している山崎怜奈さんに、中学受験をしたきっかけや、中学校・高校時代のエピソードなどをうかがいました。中学受験が人生の大きな転機となったという山崎さん。いったい何があったのでしょうか。※後編〈慶應大卒・山崎怜奈が語る中高生時代「父と『卒業まで成績上位で授業料免除をめざす』と約束、勉強に前のめりでした」〉へ続く

MENU 小学校になじめなくて中学受験を決意 「この中学に行きたい」でなく「どこでもいいから受かりたい」 東野圭吾や恩田陸の小説を読み漁っていた経験が国語に生きた 中学合格のその日、父から告げられた「卒業まで授業料免除めざせ」「大学は国公立か早慶」

小学校になじめなくて中学受験を決意

――まず、中学受験を決めたきっかけを教えてください。

 私にとって中学受験は「逃げ」でした。通っていた地元の小学校になじめなかったんです。勉強は好きだったんですが、学校というシステムや場が苦手でした。クラスの人数が奇数なのに色々な場面で2人組を組まされたり、勉強ができてもそんなにほめられないのに体育ができるとめちゃくちゃほめられたり。女の子がグループをつくって群れたり、クラスの一部の子たちが新任の先生をいじめたりするのも嫌でした。

「学校に行きたくないな」といつも思っていました。校門の前まで行ったけれど家に引き返したことも何度もあります。無断で休んだわけではなくて、「お腹が痛いので休みます」と携帯で学校に連絡して、出勤中の母にも「休む」と連絡をしていました。母は、「学校に行きたくない」という私の気持ちを、ある程度理解してくれていたと思います。

 小6のある日、母から、「中学受験する子もいるけれど、あなたはどうするの?」と聞かれました。最初は、その選択肢もあるんだとびっくりましたね。地元の中学に行ったら、環境は小学校のときとほとんど変わらない。引き続き憂鬱な毎日になるけれど、それは仕方ないことだと思っていましたから。

 でも、母からそう言われて気づきました。自分にも中学受験という道があって、合格すれば地元以外の中学に進んで、この環境から逃げられるんだと。もともと勉強は好きで、成績もよかったので、受験勉強も必死にやれば間に合うかもしれない。そう思って、親に「中学受験したい」と伝えました。小6の夏休みに入るころだったと思います。

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十枝慶二
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