おすすめポイント

『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』でおなじみの絵本作家さいとうしのぶさんによる絵童話です。食べ物の絵ならお手の物という、さいとうさんのお話で、しかも登場する食べ物は全部おかしなのですから、「あれもおいしそう」「これが食べたいな」とワクワクしながら読み進めることができるでしょう。

 面白いのは、おかしと動物の組み合わせです。たとえば、「こんぺいとう」にはカンガルーの親子が登場します。カンガルーのおかあさんがピョンピョン跳ねるたびに、おかあさんのポケットからこんぺいとうがバラ、バラ、バラ……。おかあさんのポケットの中で、カンガルーの子どもがこんぺいとうを食べているのです。「チョコレート その1」にはモグラが登場しますが、モグラがすむのは土の中。そういえば、チョコレートと土ってちょっと似ています。動物それぞれの特徴から着想を得て、おかしと動物の組み合わせを考えたのかもしれませんね。

『おかしな おかしな おかしのはなし』(さいとうしのぶ 作/リーブル 刊)

「くじつきガム」は、トラの子が「あたり」のくじつきガムをうっかり地面に落としてしまうお話。あたりくじを新しいガムに交換したものの、今度は「はずれ」で、最後は「トラのこは きょう、とく したのでしょうか? それとも、そん したのでしょうか?」という投げかけで終わります。「あたりが出たんだから、得!」「でもひとつしか食べられなかったから、損かな?」などと考えるきっかけにもなりますよ。

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