――「息が吸いやすくなった」というのは、どん底を経験したからこその言葉で心に響きます。そんな中川さんから、今いじめや不登校で苦しんでいる子の親御さんへメッセージをお願いします。
中川 母が新しい環境を用意してくれたことで、少しずつ状況は変わりました。あの当時、自分で学校以外の居場所を探すことは難しかったから、すごくありがたかったですね。あと、学校に行かなくなっても、「勉強しなさい」とは一度も言わず、漫画やゲーム、画材といった、私の好きなものは惜しまず買ってくれました。そして、それらを母も一緒に楽しみ、時間や会話を共有してくれました。まずは、子どもが安心できる居場所づくりのサポートを、そして、好きなものを応援してくれたら、お子さんはうれしいのではないかと思います。
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(構成/高橋亜矢子)
※後編<不登校だった中川翔子がいま、伝えたいことは? 「あのときの自分に『生きていてくれてサンキュー!』と背中をさすってあげたい」>に続く
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