学校に行きたくても行けない子にとって、学校以外の学びの場や心のよりどころとなるのが「フリースクール」。不登校の児童生徒数は年々増加しており、その受け皿としてリアルに通う従来型のフリースクールに加え、近年は、メタバースを主な居場所とするオンラインのフリースクールも登場しています。オンラインフリースクールができた背景や気になる授業の内容、そして、「オンライン」であることのメリットなどから、いま注目されている理由を探ります。

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国内の不登校の児童生徒数は過去最多を更新

 全国的に不登校の小中学生の数が増え続けているなか、通学できない子たちの学びの機会を保障するために、2017年に教育機会確保法が施行されました。しかし、現状では不登校の子どもの数は減少するどころか、増加の一途をたどっています。

 文部科学省が行った「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、病気や経済的理由などを除いて年間30日以上登校していない「不登校」は10年連続の増加となり、小中学校における不登校児童生徒数は29万9048人と過去最多を更新しました。

 さらに深刻なのは、約30万人の不登校児童生徒のうち、38.2%が「学校内外の機関等で相談・指導等を受けていない」ということ。すべての子どもにとって安心して教育を受けられる学習環境や支援は、いまだ十分に確保されていないことがわかります。

「なかでも、より苦しい立場に立たされているのが、離島や過疎地域で不登校をしている子や人間関係で傷ついた子たち。周囲にフリースクールなどの資源がなかったり、自宅から出ることが困難であったり、彼らにとっては人とつながりたくても、『どこかに通う』こと自体が大きなハードルとなっているんです」

 そう言うのは、日本最大級のフリースクール「SOZOWスクール小中等部」などを運営するSOZOW株式会社代表取締役CEOの小助川将さんです。

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高橋亜矢子
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