――ご両親は、そのときどんな様子でしたか。
一瞬落ち込んだ……かもしれませんが、「今まで勉強してきたことは無駄じゃないよ!」と前向きでいてくれました。子どもが受験に落ちたことを態度に出してくるような親ではなかったと記憶しています。
そこで、地元の公立中学校に進学したんです。小学校時代の友達もいたし、中学時代は人間関係にも恵まれて、楽しく過ごしました。
今思うと、母もワンオペで大変だったと思うんです。でも、そんなそぶりはまったく見せませんでした。
小5の頃、友達関係で悩んだ時期がありました。そのことに絶対気がついていたと思うのですが、無理に聞いてくることはありませんでした。きっと、聞きたくて仕方がなかったはずなのに、ありがたかったですね。その精神バランスのすごさは、大人になってわかりました。
基本的に、僕の話をつねに「聞く」という母のスタンスは、この先も僕を支えてくれたんです。
※後編<wacci橋口洋平に聞く高校時代「人間関係に悩み学校に行くのが嫌で嫌で。音楽と部活に出会い変わっていきました」>に続く
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