2024年12月下旬、新しい学習指導要領を作りかえる10年に1度の議論が始まりました。そこでは、1コマの授業時間を5分短縮して生じた余剰時間を個別学習に充てたり、学習進度に応じた学びをしやすくしたりすることなども話し合われているようです。

 次期の指導要領の実施は、小学校が2030年度、中学校が31年度になる見通しです。

家庭では「子どもが本音で話せる雰囲気づくり」を

 保護者にできることはないのでしょうか。大森さんはこう話します。

「たくさん勉強して、いい学校に入れば、いい人生が送れるという思い込みが保護者には強いと思います。でも本当にそれだけなのか。そのような思い込みに学校と家庭が埋め尽くされることによって、子どもに何が起きているのか。“未来”のためではなくて、“今”を生きている子どもにとって、どのような時間の使い方が生活を豊かにするのか。大人が思っている以上に子どもたちは敏感で、いろいろなことを考えていますから、子どもから私たち大人が教わることができると一番よいと思います。そのためには、家庭で子どもが本音で話せるような雰囲気づくりも必要ですね」

※別記事<6時間授業、授業内容増で子どもも教員も疲弊 現役小学校教員が語る「詰め込みすぎカリキュラム」の実態>から続く

(取材・文/西島博之)

【続き】6時間授業、授業内容増で子どもも教員も疲弊 現役小学校教員が語る「詰め込みすぎカリキュラム」の実態
学校の時数をどうするか――現場からのカリキュラム・オーバーロード論

大森 直樹,大森 直樹,永田 守,水本 王典,水野 佐知子

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西島博之
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