そのような観点で考えると、点数の上がり下がりばかり追うのは有効とは言えません(数点の差なんて問題の配点が変われば簡単にひっくり返りますし)。大切なのは、どうまちがったかの「内実」なのです。言葉を覚えていない、内容を理解していない、そもそも問題の意味がわかっていない、問題をよく読んでいない、文章が書けない……。まちがいの原因はさまざまで、それに伴って対応も変わります。せっかくテストをしたのだから、しっかり分析しなければテストをした意味がなくなってしまいます。

 まちがいの多かったテストは、それだけ弱点を発見できたということ。未来志向で考えれば、満点を取ったテストよりもよっぽど収穫があったということになりますね。

テストの採点やノートにコメントを書くとき、木村先生は赤ペンではなくオレンジのペンを使用。教員になりたてのころ「赤よりも、オレンジのほうがやわらかい感じがする……」と手にしたオレンジのペンがきっかけで、すっかりオレンジが大好きに。オレンジの服を着ることも多く、そんなときは見知らぬジャイアンツファンの人から、笑顔で「ジャイアンツファンですか?」と声をかけられることも。すみません、そういうわけではないのです。がっかりさせてしまってごめんなさい……。

(構成/AERA with Kids編集部)

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