新学期がスタートしています。保護者会ではちょっと聞きにくい。でも気になる! そんな話題について、現役小学校教諭に語ってもらいます。今回のテーマは「給食」。お話を伺ったのは東京学芸大学附属世田谷小学校の木村翔太先生。「AERA with Kids 2024年春号」(朝日新聞出版)からお届けします。
【写真】木村翔太先生の描いた”給食”イラストはこちら子どもたちは、やっぱり給食が大好き!
学校生活の中で、いちばん盛り上がりそうな時間が「給食」の時間です。木村先生に、教室の様子を聞きました。
「子どもたちはやっぱり給食が大好きです。メニューもバラエティーに富み、国内外の知らない料理に出合うこともあります。毎日、あまったデザートをめぐり熾烈なじゃんけんが繰り広げられているし、おかずを公平に配膳する任務を背負う給食当番をやりたがる子どもも多いですね」
子どもたちの食の好みは、肉やパン、甘みのある食材は人気が高め。魚や野菜を残す子どもは多いそう。
「ちなみに、骨のついた魚の食べ方を見ると、魚を食べ慣れているかどうかが一目瞭然です」
「無理なく食べよう」派が増えているように感じます
子どもたちにとってお待ちかねの給食ですが、食事を楽しむだけでなく、時間内に食べ終える練習をしたり、自分が食べられる「量」を学んだりする時間でもあるのです。
そう、給食の時間も先生たちにとっては「指導」の時間。先生たちに昼休みはなく、子どもたちとの会食が仕事として位置づけられ、給食費も支払っているのだそう。
「給食指導は、ひと昔前まで『残さず食べよう』という指導が当たり前でした。でも、最近は『無理なく食べよう』という指導も増えてきているように感じます。『大切な命をいただいているんだから』『栄養を考えてくれているんだから』といった『完食派』の言い分もわかりますが『嫌々食べさせるのもどうか』『食べられる量は人それぞれ』といった意見が増えてきているのでしょう」
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