先日は、フライパン一つでできるハンバーグを作りました。あいびき肉をそのままフライパンで炒めて、ソースとケチャップ、砂糖と料理酒で味つけします。即席デミグラスソースのような感じですね。そこに卵を3つくらい割って、ふたをのせて少し蒸し焼きにすると、「エッグバーグ風」の一品が出来上がります。ワンパンでとてもかんたん。
味は普通のハンバーグですが、見た目もなかなかパンチがあって子どもうけも上々でした(レシピは記事の最後にあります)。
また、「食育」という言葉があるように、自分で作ったらごはんをもっとおいしく感じられると思うのです。人に作ってもらったごはんは、おいしいけれど「できあがった味」の情報しかありません。でも、作る過程に自分が加わると、そこに楽しさや苦労といった「思い」がのってきます。苦手な野菜でも、自分で切ったらおいしく感じる……といったことは本当にあると思います。
子どものころ、母と一緒に包んだ餃子はとてもおいしかった
―――まるみキッチンさんは、どんな子どもでしたか?
子どものころの僕は、将来大工さんになりたいと思っていました。母方の祖父が工務店を経営していたので、その影響が大きいと思います。木にかなづちで釘を打って、なにか作る、今でいう「DIY」的なことが大好きでした。漠然とそういう道に進むのだろうな、と考えていたのですが……。
―――料理家になるとは思っていなかったのですね。
1ミリも考えていませんでした(笑)。料理はそれまではほとんど経験がなく、ダイエットを機に自炊を始めたのがきっかけです。そこから、まさかこんなふうに料理の道を歩むことになるとは……。人生、本当になにがあるかわかりません。でも、作ってみると料理も本当に楽しい。「作ることが好き」なのは、子どものころから変わっていないようです。
僕の料理の味つけは、母が作る料理に近いかもしれません。母も、どちらかというとはっきりとした、子どもが好きな味つけの料理が多かったんです。餃子も、僕のレシピは「やる気1%」なので「包まない餃子」ですが(笑)、子どものころは母を手伝って一緒にきちんと包んでいました。楽しかったし、とてもおいしかった。だから、僕も娘たちとも料理を一緒にできる日が楽しみなんです。
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