次男は、欲しいものを見つけたらもう何がなんでも「今」手に入れたい性格。だから駄々をこ ねる可能性は感じていました。でもそれぞれが握り締めた千円は当然自分のために使うだろうと思っていました。お金を出してあげちゃった長男はというと、そのお店では欲しいものがなかったから別にいいか、と次男のわがままに応えてしまったのだと。

 長男は本当に欲しいものをじっくり吟味して、予算に合わなかったりそこまで欲しくないと思えたりすれば買わずに貯蓄に回すタイプ。

 次男は上記の通りですが、仮にそこに欲しいものがなかったとしてもその場で予算を必ず使い切らないと気が済まないタイプでもあります。とにかく消費そのものをエンタメと考えているので、お金を使い切らないと損したような気分になるようです。せっかちだし朝は早いし、まさに「宵越しの金はもたねェ」江戸っ子気質(誰に似たのか神奈川生まれなのに)。

 三男は、さすがこういうとこも末っ子だなーと思うんですが、毎回必ず与えられた予算の半額ぐらいの欲しいものを見つけて購入し、お金もこれだけ残せた!とモノとカネ両方にほどほどの幸せを感じられるタイプ。本当に三人三様で面白いけれど、いやぁ……次男は末恐ろしい。絶対ギャンブルとか覚えさせたくない。いや、一回地獄見たほうが変われるのかな……。なんて将来を想像して電気屋の真ん中で立ち尽くしてしまいました。

 しかし今回のことは、たかが千円だけど絶対にうやむやにしてしまってはいけない。これを教訓にしてもらわねば困る!と心を鬼にした(実はサンタ代行の裏稼業をしている)母。

「次男くん、持ってきた千円以内で、って約束したよね? 本当に欲しいものはサンタさんに頼もうって話したよね? あと1ヶ月足らずを待てずにお兄ちゃんにお金を借りてまで買ってしまったということは、このおもちゃは本当に本当に欲しいものだったということ?」

 プラモデルの箱を抱きしめて無言でコクリと頷く次男。

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