生き物を飼っている家庭は多いことでしょう。生き物を飼うことは、毎日の世話をしたり、ふれ合ったり、命の大切さを学んだりと、子どもにとって学ぶことが多くあります。子どもの発達とペットとの関わりについて、「ふらいと先生」こと、小児科医・新生児科医の今西洋介医師が解説します。

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ペットの動物に子どもの成長発達を促す作用はある?

 育児をしていると、子どもたちに「この動物を飼いたい」と言われることがあります。また、生活の中で動物たちに“助けられる”ことも、多くあります。

 絵本に出てくる動物たち、YouTubeで流れる動物たちの映像、デフォルメされてキャラクター化した動物たち。幼稚園や保育園のクラスの名前が動物や植物であることも多いですし、休日の動物園は親子連れでにぎわいます。

 このように動物は、子ども達の胸を常にときめかせてくれます。

 一方で、動物園で鑑賞用の動物を見るのと、ペットとして実際に動物を飼育するのは訳が違います。

 では、ペットの動物に子どもの成長発達を促す作用があるのでしょうか? あるとすれば、どんな種類の動物に効果があるのでしょうか?

「ペットが子どもの成長発達に与える影響」を、エビデンスに基づいて考えていきましょう。

子どもが飼ったことがある動物は?

 では、ペットに関するデータについて確認していきましょう。

 まずこのグラフです。これは少し古いですが、2010年(平成22年)9月に内閣府がおこなった「動物愛護に関する世論調査」のペット飼育に関するデータです(#1)。

 これを見ると、何らかのペットを飼育していると答えた世帯が34.3%と、約3世帯中1世帯がペットを飼育していることになります。

出典:「動物愛護に関する世論調査」(内閣府)の「ペット飼育の有無」から

 では、子どもたちが飼ったことのある動物は何でしょうか?

「飼っている生き物、飼ったことのある生き物」について小学生1200人を対象にした学研教育総合研究所のアンケート調査(#2)では、以下の通りでした。

1位 魚(15.8%)

2位 犬(14.2%)

3位 カブトムシ(13.3%)

4位 ねこ(10.2%)

5位 クワガタ(10.2%)

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今西洋介(ふらいと先生)
小児科医・新生児科医 今西洋介(ふらいと先生)

小児科医・新生児科医。日本小児科学会専門医/日本周産期・新生児医学会新生児専門医。一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事。小児公衆衛生学者。医療漫画『コウノドリ』取材協力。富山大学医学部卒業後、都市部と地方の両方のNICU(新生児集中治療室)で新生児医療に従事。Xアカウント(@doctor_nw)は2024年3月現在14万フォロワー。

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