前述の女性が暮らす茨城県では、今年4月から導入。この親子が選んだ行き先は、車で20分の近くのぶどう園と運動公園でした。「あえて近場を選んだ」といいます。
「時間かけて遠出するよりも、移動時間を短くしていつもと違う平日を2人でゆっくり過ごしたいね、と言って決めました。気になっていたぶどう農家さんの畑へ行って、ぶどうの味や品種についてたくさん教えてもらいました。そのあと2人でランチして、広い公園へ行きました。平日だから誰もいなくて、一緒に歩きながら歌ったり、遊具に登って遊んだりもしました」
「この時間が続けばいいのに」娘の言葉で行動を変えた
ラーケーションを取ったことで、親子の時間が足りていなかったことに気付かされたそうです。
「『この時間が続けばいいのに』と娘に言われて、子どもって大人よりすごく親子の時間を大事にとらえているんだなぁって感じました。ラーケーションのあと、今の生活スタイルを見直して、子どもと共有できる時間を1週間に1回でも取る、と目標リストに書き加えました。次のラーケーションは、2人で藍染体験に行きます」
平日の魅力といえば、混雑を避けゆっくり過ごせること。ゆえに人気のアミューズメントパークを選ぶ家族も少なくありません。
愛知県で暮らすパートの40代女性は、今年9月の金曜日、ラーケーションを利用して小学3年の娘(9)と2人でユニバーサルスタジオへ行きました。平日が休めない夫とは週末に合流。昨年は初めてのラーケーションを利用し、家族3人でディズニーランドへ。女性は「親子で行く修学旅行のようでした」と振り返ります。一方、「周囲の誰もが気軽に使えている雰囲気ではない」と打ち明けます。
「うちの子の周りを見ると、土日が仕事で平日休みの保護者や、平日休みを取りやすい保護者はラーケーションを利用している印象です。わが家も今年は母と娘の2人旅でした。ラーケーションを取れる子は取るし、どこも行かない子は行かないという雰囲気です」と話します。
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