読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を運営する笹沼颯太さん。それまでは好きでも嫌いでもなかった本。小学4年生のときに学校の図書室でたまたま「バチッ」とハマる一冊に出会ったのをきっかけに、読書に目覚めたと話します。今の笹沼さんの原点となる小学生時代の読書習慣。一年で500冊は読んでいたという当時のエピソードを聞きました。

MENU 読書の楽しみを共有できる「友達」の存在が大きかった 読書は「居場所」のひとつでした プレ思春期の時期に、読書はとても心地よかった

読書の楽しみを共有できる「友達」の存在が大きかった

――読書に目覚めてから、どんな小学生時代でしたか?

 振り返ってみると、小4からはとにかく毎日毎日、本を読んでいました。読書好きな友達がいたので、みんなで競い合うように本を読んでいました。本を選ぶときも「あいつより先にこの本を読みたい」とか「あいつはこういう本は読まないだろうな」と、自分の興味よりも友達への競争心を優先したことも何度もありました(笑)。

 そうはいっても、ゲームも好きでしたし、外で遊ぶことも大好きでした。また、塾にも通っていたので、つねに「本の虫」といった状態ではなかったのです。読書は、今の生活に「大好きな遊びがひとつ増えた」といった感覚でした。

――生活の中に、どんなふうに読書を取り込んだのですか?

 ハマっているシリーズものがあるときは、自然とゲームよりそちらが気になるので読書メインの生活になっていました。そうでないときは、学校で読んで家ではゲームや外遊びをするなど、それぞれのタイミングに合わせてバランスをとっていたように思います(笑)。

 当時読んだ本の中には、今でも読み返したくなる大好きな本もあります。でも、僕の小学生時代の読書は「友達と読んだ」という楽しい体験がセット。ですから、当時のことを思い出すと幸せな気持ちになるんです。

読書は「居場所」のひとつでした

――そのころは、一日に、どれくらいの本を読んでいましたか?

 朝・昼・放課後と本を取り換えたり、借り直したりしていたので、一日に平均3冊読んでいたと思います。長編などを手にしたときは、さすがにそんな短時間では読みきれませんが……。そう考えると、4~6年生の時期は一年で5、600冊は読んでいたと思います。

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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