「考え聞かせ」は、それをすべて実況しながら読むというスタイルです。読み手の感想や意見をはさみながら読み進めるのです。

 このとき、何かを教えようとする必要はありません。「……この絵、気になるね」「うしろになにがあったんだろうね」とか。本を読んでいる人は、頭の中になにかしらの思いが絶対浮かんできているはずです。本を読みながら、読み手の考えも聞かせるのです。

 「考え聞かせ」を行うことで「どうやって本を楽しむか」を教えることができます。「読んでいる頭の中で、どんなことを考えているか」ということを、子どもはまだわからないケースが多いもの。それを伝えることができるんですね。

 こんなふうに、読み聞かせは発展させることができます。親子にとって、読み聞かせ自体が本の楽しみのひとつだし、それを通して本の読み方を譲り渡す場にもなるのです。

 読み聞かせについては、視点を変えてまだまだお話ししたいことがたくさんあります。この連載で、少しずつお伝えしますね!

(取材・文/三宅智佳)

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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