2023年、結成16年以上の漫才賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』で、準優勝したお笑いコンビ・マシンガンズの滝沢秀一さん。現役のごみ清掃員でもあり、SNSや著書などさまざまなメディアでごみや環境問題について積極的に発信しています。小学校などでもごみについての講演をしている滝沢さんに、子どもに知ってほしいごみのことやごみ清掃員を続ける理由について聞きました。※後編<2児の父・芸人マシンガンズ滝沢が振り返る、妻が“産後うつ”だった頃 「自分のことでいっぱいいっぱいだった」に続く

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23.4年後にごみは捨てられなくなる

――滝沢さんはごみ清掃芸人として、ごみに関するさまざまな情報を発信されています。今もごみ収集のお仕事は続けられているのですか?

 ごみ収集は、最近は月に2、3回でしたけど、週に1回くらいはやりたいですね。

――子ども向けのイベントなどでも、ごみについて講演されています。どんな思いでお話されていますか?

 ごみって、捨てたらそれで終わりで、その後のことってなかなか考えないですよね。でもごみは燃やしたら消えてなくなるわけじゃなくて、灰となって残ります。その灰を埋める場所が「最終処分場」というのですが、23.4年後には、灰で満杯になります(最終処分場の残余年数、全国平均。環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)」より)。だからごみを減らさなければならない。そのことを子どものうちから知っておいてほしいと思います。

――その事実を大人でも知らない人は多いですよね。

 僕もごみ清掃員になるまでは知らなかったです。意外と大人のほうが知らないかもしれないですね。SDGsが始まって9年経つので、今の子どもたちはその考えが当たり前に身についているんですよね。この前、20歳の子とスーパーに行く機会があったんですが、牛乳を手前から取ったんです。すげぇなと思って聞いたら、食品ロスを減らすために期限がせまった手前の商品からとるように習ったって言うんですよ。僕は子どものころ親から消費期限が短いと損するから、後ろから取れって教わりましたからね。教育って大事だなって思いますね。

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中寺暁子
ライター 中寺暁子

健康情報誌編集部などを経て、2000年からフリーに。医療・健康・教育のテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

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