――子どもの様子って、見てると思っていても、実は見えていないこともありますね。

 親御さんが10月、11月に「ここで頑張ったらその後の結果につながるはず」と思う気持ちもわかります。でも、この時期の子どもたちは心身ともに疲労がたまっているし、その上で子どもなりに頑張っています。

 ずっと鉛筆を握っているから手がガチガチで、肩が凝っていたり目の下にはクマができていたり。特に精神的なSOSは身体に表れやすいですが、それらはお子さんをきちんと見ていないとわかりません。身体がほぐれると心もほぐれるので、一緒にお風呂に入ったり、お互いの体をマッサージしあったりしてみてください。身体と心がほぐれると、子どももポツポツと本音を話してくれたりもします。そういう時間と会話が、親御さんを「魔の月」から救い出してくれます。

(構成/布施奈央子)

ふだん温厚な親が「とんでもないこと」をわが子に口走ることも 10、11月が中学受験の「魔の月」と呼ばれるワケ
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安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

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