一般的には、口の痛みが悪化する“すっぱいもの”はNG。ジュースやイオン飲料、ヨーグルトなどはやめておきましょう。比較的、食べやすいのは甘い物です。「プリンやコーヒー牛乳などは子どもが食べられた」という親御さんは多いです。病気にかかったことのある保護者仲間に聞くと、さらにいいアドバイスが得られるかもしれません。

 ただし、中にはどんなものも受け付けないお子さんもいます。その場合は早めに医療機関を受診し、水分を点滴で補給してもらってください。

Q どのくらいで治るのでしょうか?

 手足口病もヘルパンギーナも、3~7日くらいで主要な症状がなくなります。熱が下がり、症状が落ち着いたころが登園、登校の目安となります。

Q 髄膜炎や脳炎の合併症が起こりやすい型もあるとのことですが、兆候はどのようなものですか?

 髄膜炎は脳や脊髄の表面を覆う「髄膜」という3層の膜に細菌、ウイルス、カビなどの病原体が入り、炎症を生じる病気です。「発熱が続く」「頭痛」「嘔吐」が髄膜炎の兆候です。ただし、ウイルスによる髄膜炎は数日で自然治癒することが多く、後遺症などの心配は基本的にありません。とはいえ、嘔吐により水分がとれなくなると、脱水により他の合併症が起こることもあるので、医療機関で診てもらったほうがいいでしょう。

 一方、脳炎は髄膜ではなく、脳そのものに炎症が起こる病気です。同じ脳の炎症でも髄膜炎と異なり、救急の処置が必要です。兆候としてはけいれんや意識障害があります。このような兆候が見られたらすぐに救急受診をしてください。

大人が手足口病になると、重くなるのはどうして?

Q 大人が手足口病にかかると、症状が重くなって大変だと聞きます。水疱が足裏に出て痛くて歩けなかったとか、40度近い熱が出た人もいました。

 手足口病に限らず、いわゆる“子どもの病気”に大人が感染すると重くなりやすいのは、体力の差が大きいと思います。子どもは風邪でも、ときに高熱が出ても、遊んだり、走り回ったりしています。回復も早いですが、大人はそうはいきません。痛みや高熱が久しぶりという人にとっては、より、つらく感じると思います。

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