小学校では問題なく学習しているけれど、このまま中学に進んできちんとついていけるのか心配になるのが「英語」です。そもそも、英語学習は小学校の授業だけで十分なのでしょうか。今、親ができることについて、英語教育の専門家に聞きました。「AERA with Kids2024秋号」からご紹介します。
【写真】最年少IIBC AWARD OF EXCELLENCEを受賞、小3で英検1級を取得した内田望結さん音と文字の規則を覚え、読む習慣をつけよう
小中高生に英語を指導する「J PREP斉藤塾」代表を務める斉藤淳さんは、福島県南相馬市の外国語教育推進アドバイザーを務めるなど、英語教育の現場に多く足を運んでいます。小学校の英語の現状をどうみているのでしょう。
「文部科学省が目指す英語教育の方針は間違ってはいませんが、導入されて間もないので、ノウハウが全国に行きわたっておらず、自治体により授業のレベルに差がある印象を受けます」(斉藤さん)
そのため、斉藤さんは子どもの様子をよく見て、「ふたつのこと」のフォローを勧めます。ひとつめは英語特有の「音」と「文字」のつながり。中学以降の英語学習をスムーズに進めるために、とくに音と文字は早めに習得したほうがよいと話します。
「音と文字の規則を最初に学ぶことは語学の鉄則。英語は、日本語とは発音が全く異なり、読み方のルールが一定ではない言語です。それを理解するには学校の授業だけでは不十分かもしれません」
日本語は、漢字はふりがなをふればそのまま読め、「私は」の「は」は「わ」と読むなど、例外が少しあるだけです。一方、英語は母音の種類が20、子音の種類が25ほどあり、例えば「CUT」 と「CUTE」では、同じ 「U」という文字でも発音が異なるなどパターンが複雑。そのため英語のネイティブスピーカーは、学校で「フォニックス」と呼ばれる識字教育を受けます。
「今は動画や教材もたくさんあります。ぜひ親子でフォニックスに取り組み、英語の音に楽しく触れることから始めてみてください」
英語の理解を後押しするのは「語彙力」
フォニックスで音に慣れたら、「読む」ことに力を注ぎます。
次のページへ家庭でできる「ふたつのこと」