インスタやブログで家族の絵日記を発信する、フリーランスのグラフィックデザイナー・漫画家の今じんこさん。小1の長男が「学校に行かない」宣言をした後、親子で共倒れしかけて行きついたのは、「不登校は問題だ、と思い込んでいる大人が不登校を問題にしている」という考え方でした。「AERA with Kids2024秋号」から体験談をご紹介します。

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 長男のもっちんは「学校がつらい」と言って、入学後まもなく、さみだれ登校や付き添い登校になりました。当時の私は「休み休みでいい」と口では言いながらも、行ってほしいという無言の圧をかけていて。それを察したもっちんは、2年生になって毎日登校するようになったものの、今度は家で荒れるように。私も思い悩み、一時期うつ病になって、親子で追い込まれました。

 光が見えたきっかけは、周囲に助けを求めたことです。専門の相談機関に限らず、友人知人や地域のつながり、SNSなど、頼れば味方がたくさんいました。

 時には偏見や無理解に傷つくこともありましたが、悩んでいる姿を周囲に開示できたことは、自分のメンタルにもよかった。話すことは「放す」ことですよね。家庭だけで抱えないためには〝コミュ障〟な私ではいられなかった。「自立」とは一人で頑張ることじゃなく、頼れる人や場所をたくさん見つけること。人に弱さを見せてあちこち動く親の姿を見て、子どもも人を頼ることや行動力を学んでいたらいいなと思います。

100%の味方を求めない。30%でも頼れる相談先を複数見つけていく

 行政や学校など、いろいろなところに相談して感じたのは、その対応に白黒つけないことが大切だということ。100%頼れるところなんて、そうそうないと思います。でも、どこも子どものことを考えているし、親と違う観点で支えてくれる。50%でも、30%でも、この部分が頼れると思える相談先が複数あればいい。親の不安をあおる不登校ビジネスは論外ですが、少しの違和感に、ここはダメ、あそこもダメと思わず、折り合いをつけながら頼ると、助けになることは多かったです。

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今 じんこ
今 じんこ

フリーランスのグラフィックデザイナー、漫画家。もっちん(11歳)とずん(8歳)の母。インスタグラムやブログで家族の絵日記を発信。コミックエッセー『学校に行かない君が教えてくれたこと』(オーバーラップ)は5刷重版。

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