夏休みは1日12時間勉強漬け!親が「もう寝なさい!」と心配するほどの猛チャージ

 5年生の終わりに、中学受験をすると決めたBくん。通信教育をメインとする塾に通い始めたものの、周囲はすでにカリキュラムを一通り終えていて、過去問を解き始めるような時期でした。6年生始めの模試の社会科で「初代内閣総理大臣は?」という問題に「卑弥呼」と答えるレベルからのスタートで、先行きは不安だったそう。

 幸い、通い始めた塾では、各自の目標意識が高く、楽しく勉強をする仲間がたくさんできました。休み時間には、友達同士で計算の正確さや速さを競ったりして、ゲーム感覚でレベルアップをしていくことができたようです。

 夏休みには1日12時間も勉強をして、親から睡眠時間を心配されるほど。その結果、春先の偏差値に比べて約20ポイントアップする成長ぶりを見せました。ただ、第1志望校にはまだまだ及ばず……。お母さんは、「これだけ一生懸命頑張っているのだから、第1志望校でなくてもいいから、どこかに受かって欲しい!」と願うようになっていたといいます。

 秋冬の成績は伸び悩み、ハラハラしながらあっという間に1月の受験日となりました。まずはお試しの意味を込めた受験校だったので、受かるだろうと安易に考えていたのですが、2回連続で不合格。「もしや実力が定着していなかったか……」と不安に陥った直後、第2志望校に合格! このとき、お母さんは「もうこの学校で十分。受験は終わった! よく頑張った!」といち早く肩の荷を下ろして大喜びをしたそうです。

第1志望校の受験日、サッカーのピッチに入って行く時と同じ表情の息子を見てハッとした!

 第2志望校から合格をもらい、すっかり終了モードに入っていたお母さんは、第1志望校の受験日の朝、Bくんに「気楽な気持ちで受けてきなさいね〜」と明るく声をかけました。

 すると、Bくんはサッカーのピッチに入って行くような引き締まった表情で、ムッと押し黙り試験会場に……。「この子はいま、本気でこの学校に入ろうとしている」。強い意志を目の当たりにして、浮ついた気持ちで送り出したことを申し訳なく思うとともに、この子は、やる時はやれる子だと成長を噛みしめたといいます。

 結局、Bくんは持ち偏差値より上の憧れの学校へ気合いで合格! ここでサッカーをやりたいという一心で、第1志望校への入学切符を手に入れたのです。

 入学してからは、膝の痛みも治り、念願のサッカー部で活動をすることが叶いました。仲間にも恵まれ、部活動を中心に学校生活を謳歌。勉強面では、数学で苦戦を強いられて学校から呼び出しをされるなど心配が続きましたが、結局は周りの友達に助けられたり、最低限やらなければいけないことはクリアしていたりしたため、現在は付属の大学まで進み、体育会サッカー部に所属して早朝5時に出かけて行く充実した毎日だそうです。

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