学校に行き、塾に通い、中学受験をするのが当たり前と思っていた日常が一転、急にわが子が学校に行けなくなってしまったら……。「つらく、長く、しんどかった」時期を乗り越えたお母さんに、不登校の渦中、わが子をどうサポートをして、どんなスタンスで見守ってきたかを語ってもらいました。
【無料マンガ】このエピソードをマンガで読む(全39枚)「お腹が痛い」と言ったあの朝から、暗く長いトンネルの日々が始まった
都内在住で現在高校1年生Kくん。小学生時代は、サッカーやゲームが大好きな男の子でした。学年の半分以上が中学受験をするような小学校だったため、本人も当たり前のように中学受験をしたいと言い出し、4年生から地元の塾に通いました。順調に4、5年生が過ぎ、いよいよ中学受験が本格化してくる6年生の2学期、突如それは始まりました。
いつも通り登校の準備をしていると、Kくんが「お腹が痛い」と言ってトイレに行ったきりなかなか出てこなくなりました。お母さんは最初「食当たりかな?」と昨夜の食事に考えを巡らせたと言います。その日は調子が悪そうだったので、休ませて様子を見ることにしました。しかし、翌朝も翌々朝も腹痛を訴えたため、もしかしたらこれは大きな病気かもしれないと心配になり、病院で血液検査や尿検査などを受けることに。けれど原因は特定されませんでした。
1週間が経った頃、学校から「ずっと保健室にいていいから、学校に来てみようか」と提案されました。学校に近づくにつれてKくんの顔が青ざめて、足が動かなくなってしまったのを見たとき、「これはただ事ではない」と感じたと言います。
検査を受けた小児科に不登校などを扱う心療内科もあったため、そこでカウンセリングをしてもらったところ、「学校に行きたい気持ちはあるけれど、具合が悪くなって周りに迷惑をかけたらどうしよう」という不安で教室に入れないのだということがわかりました。そのため、数カ月間、保健室登校をする日々が続きましたが、その後、不安は収まることもなく完全に学校に行けなくなってしまいました。
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