大学・大学院受験、高校受験、中学受験、そして小学校受験。多くは、成長過程のどこかで受験を経験するものです。今回はわずか6歳で受験をした女の子が、悔しい思いを糧に、家族一丸となって中学受験で目標達成をしたストーリーを紹介します。
【無料マンガ】この体験記をマンガで読む(全35枚)小学校受験は、5校“全落ち”
都内に住むKちゃん一家は、お父さん、お母さん、10歳以上年の離れた兄とKちゃんの4人家族。兄に手がかからなくなってきたことや近くに名門私立小学校があったこともあり、Kちゃんは小学校受験をすることになりました。
4歳からお受験のための塾に通いましたが、そこは読み書きや足し算引き算などを勉強する場所ではなく、合格するための家庭環境や生活習慣、独特のルールを教えてくれるような目新しい世界だったと言います。「敷物を広げて、その上でお手製の弁当をどう食べるか」や「四季折々の行事を家族でどう過ごすか」など、机上の勉強とは違う内容に、戸惑いながらも2年間どっぷりと浸かり、お受験にトライしました。が、結果は5校すべてからご縁をいただけなかったそう。何が足りなかったのか、正解が明確ではなかったために、もどかしい思いを抱えながら、Kちゃんは地元の公立小学校に入学することになりました。
またもや始まる塾生活。最善の道を模索して転塾も
「うちの子は実力がなかったのだろうか」というモヤモヤした気持ちを晴らすために、中学受験専門塾の入塾テストを小学校1年生で受験。合格をしたものの、息つく暇もなく塾に通わせるのも可哀想かと思案していると、「新小学2年生を過ぎると、その塾に入りたくても席がなくなってしまう」という噂を聞き、ほどなくして通塾生活を始めたそう。その頃は、ピアノやバレエ、絵画や習字といった一通りの習い事もこなしながら、小さいながらも勉強をする習慣を身につけていきました。
そうこうしているうちに、4年生となり、受験勉強も本格化してきました。徐々に難しくなっていく勉強内容と、新しく入塾してきた子達のレベルの高さに、焦燥感や不安が募り、他塾へ移っていく友達も増えていきました。「このままここにいて大丈夫だろうか?別の塾に切り替えるべきか?」いう不安と、「この塾にいれば希望の学校に入るだけの知識はつけてくれるだろう」という期待で両親は葛藤していました。しかし、Kちゃんが別の塾の体験授業を受けてみたいと言い出し、その結果「塾を移りたい」とキッパリと判断したことで、転塾を決意したそう。
今振り返るとそれがひとつのターニングポイントで、先生がささいなことを褒めてくれたり、また、お迎えを待つ間にちょっとしたアドバイスをくれるなど、先生との距離が縮まることでKちゃんは先生たちを信頼して、積極的に勉強に取り組むことができるようになりました。また、そこで仲良くなった友達とも馬が合い、切磋琢磨しながら1日に何時間も塾で過ごすようになっていったといいます。
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