ほとんどの学校で、複数回受験ができるようになっていますが、入学したい気持ちがより強い第1志望校の不合格が続いたら……。落ち続けるのは、子どもも親もかなりの精神的ダメージを受けることに。今回は、受験期間中にメンタルのアップダウンを経験した、現在中学3年生の女の子のお母さんに語ってもらいます。

MENU 気分次第でやったりやらなかったり。地道に勉強をしない娘にヒヤヒヤ 志望校選びと受験スケジュールの組み立ては、親ができる最大のサポート 第1志望校の不合格が続き、親子ともどもメンタルが崩壊寸前に… 「こんなにしんどい思いをさせてごめんね」温泉宿で目にした合格発表の結果は

気分次第でやったりやらなかったり。地道に勉強をしない娘にヒヤヒヤ

 都内の自宅近くに、有名な伝統女子校があったことから、中学受験を意識するようになり、4年生から大手の進学塾に通い出したSちゃん。コンクールに出るほどの腕前を持つピアノやバレエなどのお稽古も続けながらの通塾になりました。

 Sちゃんは、好きな先生の授業や興味のある分野にはのめりこむけれど、気が向かないと全くやる気をなくしてしまうような気分にムラがあるタイプ。5年生の1学期、コロナ対策でオンライン授業になってしまった際は、部屋で授業を聞いているのかと思いきや、テキストは真っ白、毎日こなさなければいけない計算問題も全くやっていないことが後からわかるなど、お母さんが心配になることもあったそう。

 それでも、塾の先生や友達に恵まれて、6年生の始めには、塾のクラス分けテストで上位クラスに位置することができていました。ただ、得意分野が出題された模試では好成績でも、苦手な分野だと大きくダウンしてしまうため、偏差値が定まらず、志望校を最終決定したのは6年生の12月に入ってからでした。最終的に第1志望校にしたのは、模試で合格率60〜70%、Sちゃんが「ここなら自分に合う気がする!」と意思表示をした学校でした。

志望校選びと受験スケジュールの組み立ては、親ができる最大のサポート

 仕事をしているSちゃんのお母さんは、勉強を教えたりすることはしませんでしたが、志望校選びと受験スケジュールの組み立てには慎重におこなったそう。一か八かのような学校のラインナップではなく、「努力は報われるんだ」という成功体験を必ず得られるものにしたい、という思いが根底にありました。

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鶴島よしみ
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