コロナ禍で私学の教育環境に魅力を感じた家庭が増え、活況を呈していた首都圏の小学校受験ですが、2024年度の入試はブームに一服感がみられました。この項では、合否のカギを握る入学願書と面接について、小学校受験指導の草分け「ジャック幼児教育研究所」の吉岡俊樹理事に話を伺いました。「AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び 2025」(朝日新聞出版)からご紹介します。

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願書は1年前からじっくり考える


 小学校受験の第一関門となるのが入学願書。吉岡さんは「願書は実質的な“一次試験”です」と話す。

「就職試験は書類選考で落ちたら先に進めませんが、小学校受験の願書は、合格のボーダーラインより下でも、その後の考査は受けることができます。願書で学校とご家庭の方針がミスマッチであると判断されたら、そこからの『敗者復活』は非常に難しいと言えるでしょう」(吉岡さん)

 願書の段階で「ご縁なし」と判断されると、その後の考査を受ける子どもの努力が無駄になってしまう。願書は「保護者の試験」でもあると心得て、事前に十分な対策をしたい。

 昨今は「願書代行サービス」などを利用する保護者も増えているが、「マニュアル通りの文や、自分で練り上げていない志望理由は見抜かれます」と吉岡さん。

 願書のフォーマットは毎年そう変わらないため「できれば1年前、遅くとも年長の春ごろから、志望校に向けてじっくり準備してほしい」という。

AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2025」より

面接は「本音を引き出す」質問がずらり

 事前準備できる願書に比べ、予測が難しいのが親子面接だ。
 実際に面接で聞かれた質問を見てみると、慌ててしまいそうな質問ばかり。

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澤田聡子
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