コロナ禍で私学の教育環境に魅力を感じた家庭が増え、活況を呈していた首都圏の小学校受験ですが、2024年度の入試はブームに一服感がみられました。最新動向について専門家が解説します。この項では、今年の注目校について、サイト「お受験じょうほう」を運営するバレクセル代表の野倉学さん、ジャック幼児教育研究所理事・吉岡俊樹さんに話を伺いました。「AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び 2025」(朝日新聞出版)からご紹介します。
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多様化する価値観を背景に、小学校受験の新たなニーズとして生まれたのが、「中学受験のサポート」だ。中学受験の回避を小学校受験のメリットの一つととらえる家庭も少なくないが、「洗足学園小学校(川崎市)や宝仙学園小学校(東京都)のように、中学受験を学校の授業で支援してくれる私立小も保護者から支持されています」と野倉さんは語る。
もう一つ、保護者のニーズとして定着しているのが英語教育だ。私立小は総じて先進的だが、「どの学校も英語教育に昔から取り組んできたため、独自色を出しにくい面も」と吉岡さんは指摘する。ネイティブ教師による指導やオールイングリッシュ授業が特別でなくなった今、注目したいのは海外の名門校との連携や、独自の海外研修プログラムなどだ。
「例えば学習院初等科には、伝統ある英チェルトナム・カレッジと提携し、6年生20人がホームステイをしながら授業を受けられるプログラムがあります」(吉岡さん)。慶應義塾幼稚舎には英オックスフォードの名門ドラゴンスクールへの短期留学をはじめ、希望者対象の国際交流プログラムが複数ある。小学校から海外の名門校に触れる機会があるのは大きな魅力といえるだろう。
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