就活前の学生を対象にした調査では、親を相談相手として頼る様子が浮き彫りになっています。リクルートの研究機関、就職みらい研究所が全国の大学2年生約1000人を対象に実施した調査「2022年入学 大学2年生の大学生活等に関する調査」(2023年6月実施)によると、就職について考える際の情報取得先について、「親」が52.1%と最も高い割合を占めました。2位「友人」(36.5%)、3位「就職情報サイト」(34.6%)を大きく引き離しています。

 2023年度卒として就職活動を行った大学4年生・大学院2年生1117人「2024年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」では、就活中の悩み相談は「友人・先輩・後輩」が59.4%とトップだったものの、「家族」(56.5%)も半数を超えました。友人や先輩たちと肩を並べるほど学生が「家族」を頼りにしていることが分かります。飯塚さんによると、実際に内定後に親の判断や意向により内定を辞退するケースもあるといいます。

Z世代はお友だち親子が増加

 こうして親を頼る状況になった背景には時代とともに変化してきた親子関係が影響していると考えられています。飯塚さんは言います。

「親子の関係性がかつての上下関係というより、友だちのような関係になってきたことで、子どもは親にいろんなことを相談したり、親もアドバイスしたりしやすくなっています。加えて就職氷河期を経験した親世代は、子どもにいろいろアドバイスしたくなるようで、親の意見の影響を受けやすい。こうしたことがオヤカク・オヤオリの増加に影響しているとみています」

 さらにZ世代は、就活の前から仲のいい親子関係になっていたと飯塚さんは指摘します。

「少し前の時代から大学受験に親御さんが付いてくるようになって、大学選びのオープンキャンパスもほとんどの高校生が親御さんと一緒に行くようになりました。就活に親が積極的に関わるようになったのもその延長線上ではないでしょうか」

近い関係でもOK? 青年期の発達課題は親からの自立

 大学受験や就活に親が関わったり、高校生の娘と一緒にアイドルの推し活を楽しんだり、大学入学後の履修登録を一緒に考えたりすることもある「お友だち親子」。この年齢でこうした近い親子関係はアリなのでしょうか。

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