JAXA×マイクラで月面基地をリアルに感じる

――タツナミさんは、JAXAのマイクラを使った宇宙開発教育『LUNACRAFT(ルナクラフト)』も手がけています。こちらはとても楽しそうな、ワクワクする取り組みですね。

 私は宇宙大好き少年だったので、JAXAさんからお話があったときはまさに夢が叶ったような気分でした。子どもたちに宇宙について教えるためにマイクラを使った教育法がないか相談を受けて、「できますよ」と二つ返事したのがはじまりです。

 アイデアはいろいろありましたけど、最終的に一番面白いと思ったのが月面の再現でした。そこで、2050年の月の世界に100人ほど住んでいるかもしれないと仮定して、衛星「かぐや」が取得したデータをもとに、月面ワールドを再現したのが『LUNACRAFT(ルナクラフト)』です。

 現在、火星移住の計画も進んでいて、火星にロケットを送るための月面基地も必要だと言われています。2023年は、探査機のSLIM(スリム)が月面着陸に成功したホットな話題もありました。そこで、クレーターの真ん中に月面基地を造って、そこから何をするかは子どもたちに任せましょう!ということになり、JAXAさんが想定されている設計通りの月面基地をつくったのです。子どもたちに「みんな月で何をつくりたい?」って聞いたら、めちゃくちゃ楽しそうにいろんなアイデアを出して目が輝いていましたね。

マインクラフトの月面ワールド「ルナクラフト」(画像提供:JAXA)
宇宙船の中(画像提供:JAXA)
地図をもって宇宙船の外に出発(画像提供:JAXA)
農場や月面基地もある(画像提供:JAXA)
ローバーに乗ってさらに遠くへ(画像提供:JAXA)

親がマイクラを教える必要はなし

――このようにマイクラがあちこちで積極的に活用されたら、子どもたちが楽しく個性や才能を発揮できそうですね。今の学校教育だけで、これからの時代を生き抜く力を育てるのは難しそうですから。

 私も子どもが生まれてから、この国の教育でこの子たちは将来どうやって生きていくんだろうと考えるようになりました。今までがんばってきた先生もたくさんいるので失礼なことは言いたくないのですが、ICT教育が進んだこの数年で、ようやく戦後教育の古い考え方が変わりつつあると感じています。

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