ただ、そのツールの1つがマイクラというだけで、子どもに与えれば賢くなる魔法のツールではないんですね。大事なのは「マイクラで何をつくるか」であって、それは子どもの好奇心や探究心がなければ何もはじまりません。子どもの好奇心や探究心を満たすには、大人のサポートも必要になりますし、そもそもすべての子どもにマイクラをやらせる必要はないと私は思っています。

――では、子どもがマイクラを欲しがったら親が買い与えて、必要なサポートをしてあげればよいでしょうか?

 親の役割はそれでいいんですよ。子どもがやりたいことがあれば、口は出さずに金を出す(笑)。ゲームのことはわからないという人は無理して教える必要はなく、専門家に子どもを導いてもらえばいいんです。今はプログラミング教室もたくさんありますから。

 私がうれしいのは、自分もそうだったように、家でひたすらモノづくりをするのが好きな子がマニアとかオタクのレッテルを貼られるだけの時代が終わったことです。それどころか、何カ月もかけてつくった作品を堂々と世界にアピールして、「Minecraftカップ」のような全国大会に応募すれば、脚光を浴びることもできる。そんな風に、才能があっても認められる機会がなかった子どもたちが輝ける場所ができて、本当にいい時代になったと思っています。

子どもの能力が伸びるマインクラフトの使い方 (ポプラ新書 257)

タツナミ シュウイチ

子どもの能力が伸びるマインクラフトの使い方 (ポプラ新書 257)
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樺山美夏
樺山美夏

リクルート入社後、『ダ・ヴィンチ』編集部を経てフリーランスのライター・エディターとして独立。主に、ライフスタイル、ビジネス、教育、カルチャーの分野でインタビュー記事や書籍のライティングを手がける。

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