「あの中学は内申が甘い!? 」内申格差の正体

  保護者がこんな噂話をすることがあります。「A中学は内申点が取りづらいらしい」「B中学は内申点が取りやすいと聞いた」こうした内申点に関する噂のほとんどが、丹念に分析を進めると的外れであることがわかります。

 実際に学校によって「内申格差」はあるようです。次の表は、文京区立のある中学校と、都内のある市立中学校の評定の分布図です。文京区は都内でもトップクラスの高学力エリアです。区立中学校全体の評定「5」と「4」の割合は48 %にのぼります。つまり、ほぼ2人に1人の評定が「4」以上であるということです。文京区立中学校は、評定が甘い先生が集まっているのでしょうか。そんなことはありません。学力の高い生徒が多いから、評定が高くなるのです。学校の先生はエリアを超えて異動をします。中学校の評定は9人の先生の平均値です。特定の中学に、評定の甘い先生が集まることはありません。評定平均の高い中学校は、内申点が取りやすいわけではありません。学力の高い生徒が集中するエリアの中学校であるということです。内申点に関する噂話には、惑わされないようにしましょう。

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