中学受験、高校受験でも首都圏の有名私立大学付属校・系列校が人気ですが、Xで「東京高校受験主義」として受験情報を発信する高校受験塾講師・東田高志さんは「高校受験のほうが入学のハードルは低い」と言います。著書『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと』(Gakken)からお届けします。

MENU 大学附属校は中学受験よりも入りやすいといわれる理由 高校受験の附属校の合格者数は募集定員を大幅に上回る 私立高校は「コース制」が主流になった 一つの私立高校の中に複数の「小さな高校」がある

大学附属校は中学受験よりも入りやすいといわれる理由

  高校受験の魅力として、中学受験と比べた大学附属校の入りやすさがよく挙げられます。首都圏には、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、中央大学などの有名私立大学の附属校・系列校がいくつもあります。そして中学受験よりも高校受験のほうが入学のハードルは低く、狙い目であるといわれています。その理由は以下の通りです。

1)教科数が少ない

  中学受験は、理科と社会を含む4科目入試です。理科、社会は小学生に求める知識量としては膨大で、大きな学習負担となります。これに対して高校受験の大学附属校は3科目入試です。英語、数学、国語の3科目に比重を置いた勉強で大学附属校を狙えます。

2)受験に熱心な家庭が中学受験で抜ける

 東京では、小学1年生から受験勉強を開始するような教育熱の高い家庭は中学受験で抜けてくれます。莫大な教育費を投じる家庭が中学受験で勝負するおかげで、高校受験は普通の経済力の家庭が不利にならなくて済む構造です。

3)高校単独の附属校が多い

  法政大国際高校、中央大高校、中央大杉並高校、慶應義塾志木高校、早稲田大学本庄高等学院のように、高校からしか入学できない大学附属校がたくさんあります。

4)入学手段が多様である

  学力検査一発勝負の一般入試のほかに、推薦入試や書類選考と呼ばれる学力検査だけに頼らない入学手段があり、学力や特性に応じた入学チャンスがあります。

高校受験の附属校の合格者数は募集定員を大幅に上回る

  中学受験と比べた高校受験の大学附属校の優位性は、募集定員だけでは判断できません。表は早稲田大学高等学院(男子)、慶應義塾(女子)、中央大学付属(男女)の3校の入試結果です。募集定員と合格者の差に注目してみてください。

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東京高校受験主義(東田高志)
東京高校受験主義(東田高志)

Xで4万5000フォロワーのいる教育系インフルエンサー。首都圏の受験情報を毎日配信している。実生活では、20年のキャリアを持つ塾講師。長年、学校と塾の変化を見続け、小・中学生を教えてきた。おもに首都圏を中心とした教育ウォッチャーでもある。フィールドワークとして都内各地の公立中学校や都立高校を訪問し、区議会議員とのコラボイベントも開催している。

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