「娘が『中学受験をしたい』と言ったんです。とても驚きました」
一番仲のよいお友達が受験をするという話がきっかけのようでしたが、「話の合う子が少ない」「クラスが少し騒がしく感じる」……など、これまでクラスに感じていた違和感をHちゃんは両親に打ち明けました。また、この時期は午後から登校するなど、なるべく学校に行こうと頑張っていましたが、「お友達に登校しているところを見られるのが恥ずかしい」とだんだんと登校する日も少なくなっていたころでした。
中学受験を志望するには遅いスタートであることに加え、体調面での負担もお父さんは心配でしたが、「娘を応援しよう」と決意。
「実は僕自身も中学受験経験者なんですが、当時『全落ち』したんですよ。でも、それで通うことになった公立中学校が思いがけずとても楽しかった。だから、万が一うまくいかなくてもいいじゃないかと考え、娘の頑張る気持ちを尊重しようと考えたのです」(お父さん)
「お父さん塾」で受験勉強がスタート!
小5の12月、お父さんとHちゃんの“二人三脚”の受験勉強がスタートしました。受験塾には行かず、お父さんが在宅勤務の合間を縫ってすべてHちゃんの勉強をサポートする「お父さん塾」スタイルです。まずはお父さんが「どんな勉強をするか」のメニューを大まかに示し、Hちゃん自身がその中から「今日何をするか」を決めて、毎日手帳にその日の計画を書いていきました。
Hちゃんから言い出した中学受験ですが、まだ幼い小学生。苦手な算数を前にすると「もうやりたくない!」と癇癪(かんしゃく)を起こすこともありました。お父さんは、「ここで怒ってしまうと、娘の居場所がなくなってしまう」とグッと堪え、一つひとつ丁寧にステップを踏めるよう難度を調整しながら勉強を進めていったといいます。
算数同様にネックとなったのは理科。実は理科はお父さん自身も苦手な教科でした。そこで頼りになったのは“YouTube”です。最近は、単元の解説などの動画も多く、わからなかった部分の動画を探しては一緒に見て学び、乗り越えました。
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