「オンラインのメリットは、なんと言っても場所や時間にとらわれないこと。全国どこからでも参加可能で、スクールによってはカメラやマイクのオンオフも自由。しんどくなったら退出したり、また入室したりと自分のペースで活動に参加できるのも魅力といえます」(小助川さん)
東京都の離島で暮らし、現在オンラインフリースクールに通っている中1の男子生徒は、「島にある学校は1クラス十数人だけど、オンラインフリースクールだと全国からたくさんの子が通っているから、同じ“好き”をもつ仲間と出会いやすい」とメリットについて話します。
オンラインフリースクールといっても、さまざま。例えば、子どものニーズや状態に最適のコンテンツが充実した「SOZOWスクール小中等部」や、学校外の友達ができるコミュニティー型オンラインフリースクールの「Branch」、マンツーマンの家庭教師スタイルで、子どもの興味関心に伴走して好きを温める「夢中教室」などがあります。
親側の不安や課題も…
一方で、親側には心配もあります。「子どもがやりたいことをとことんできる場を与えてあげたい」と思いながらも、「進学に必要な5教科の学習もしておいてほしい」というのが本音。「勉強の遅れが将来マイナスに働いてしまうのでは……」といった不安がつきまといがちです。ところが、当の本人である子どもたちは勉強する意味を見いだせずにいるため、親子の間に“ズレ”が生じてしまうのです。
子どもの主体性を尊重するオンラインフリースクールでは強制的に勉強させることはほとんどありませんが、こういった親側のニーズを踏まえ、最近では5教科学習のサポートに対応しているスクールも増えてきています。
さらに、「オンラインのスクールだと人間関係が学べないのでは」と危惧する親もいますが、前出の石井さんは心配する必要はないと言います。
「今の子どもたちは、オンラインで知り合ってから実際に会って仲良くなるケースもあるので、出会いがオンラインでも人間関係を学べます」
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