「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は塾に通い始めたばかりの新小4の親御さんからの質問です。

MENU 最初は塾に行くだけでしんどい 勉強の回し方で一番怖いのは 4年生までにやっておくべき4つのこと

安浪:まだ新4年生が始まって1カ月ですから、これが当たり前の状況かな、と思いますよ。この段階でペースメイクできているとしたら、たぶん1、2年生から塾に行っていて、親御さんがガッツリ管理しているお家でしょうね。

矢萩:ご質問者さんの場合、「本人は塾自体は楽しいようです」と書かれているので、ここをまず大事にしてほしいです。今楽しんでいるのに、やれ宿題だ、やれペース作りだといろいろ言って、本人がつまらなくなってしまったらもったいない。せっかく楽しんでいるのであれば、その楽しさをキープしながら、プラスアルファで少しずつ宿題も追いつくようにしていこうか、くらいでいいと思います。

安浪:まあざっくり言うと、3月いっぱいぐらいで塾の様子をつかんで、4月は新しい学年になるから小学校に慣れて、ゴールデンウィーク明けからようやくスケジュールの立て直しができるのかな、というぐらいでしょう。これでも理想ですけど。

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安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

矢萩邦彦
中学受験塾塾長 矢萩邦彦

やはぎ・くにひこ/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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