かんしゃく、やる気がない、言うことを聞かない……。日々の子育てで悩むとき、どうしたら解決できるのでしょうか。教育家で、見守る子育て研究所所長の小川大介さんは、「お子さんが自由に遊んでいる時の姿に、子どもの心が安定する秘訣が詰まっている」といいます。AERA with Kids+の連載「小川大介の『才能が見つかる!』子育て相談」。小川さんと一緒に解決のヒントを探ります。(聞き手/AERA with Kids+編集長 鈴木顕)※前編<子どもの問題行動は本当に「問題」なのか? 教育の専門家が現代社会に警鐘を鳴らすワケ>から続く
【図】小川さんの考える「子育ての悩み」の図式はこちら子育ての悩みは「分解」できる!
――小川さんのもとには、子育てについてどんなお悩みが寄せられますか?
一番多いのは「かんしゃくで困っている」「やりたくない時にやる気が出ない」「言うことをきかない」。学習に関心の高い親御さんが増えて「言葉が遅い」「習い事を嫌がるがどうすればよいか」などのほか、中学受験に関する悩みも多いです。
子育ての悩みは、分解して考えると解決法が見えてきます。大人側の「こうあるべき」という「価値観・前提・決めつけ・ルール(評価基準)」と、「お子さんの言動(現象)」がかけ合わさった時にそれがズレていると、大人側に「問題」という解釈が起こります。
<小川さんの考える子育ての悩みの図式>
●子育ての悩み:A(評価基準)×B(言動)=C(問題行動という解釈)
お子さんの言動(B)にいい・悪いはない。大きな声を出したとか、立ち止まっているなど、単純に現象です。そこに、大人の評価基準(A)にマイナス要素がかかると、「悩み」になる。つまり、大人の思い込みが先にあって、子どもの言動をいい・悪いと勝手に解釈しているだけなんです。
――すると、親は子どもの言動をどう理解していったらいいでしょう?
まず「子ども理解」をして、その言動がなぜ生まれているかを理解することが大切です。
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