子どもが周囲からはみ出た行動や言動をすると、すぐに「問題児」扱いされてしまう現代の日本。そもそも、子どもの問題行動は本当に「問題」なのか。問題児扱いされるのはなぜなのか、さらには社会全体で子どもをどう見守っていくといいのか――。AERA with Kids+の連載「小川大介の『才能が見つかる!』子育て相談」で、教育家で、見守る子育て研究所所長の小川大介さんに話を聞きました。(聞き手/AERA with Kids+編集長 鈴木顕)

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■それって本当に問題行動?

――子どもの「問題行動」という言葉がありますが、小川さんは、子どもの言動が「問題」と言われることについて、どうお考えですか?

 僕は南河内という大阪でも血気盛んな地域で育ったんですが、自分も周りの子も問題児そのものでした(笑)。僕は子どものころは「かんしゃく持ち」と呼ばれていました。今なら「多動」「情緒不安定」「愛情欠乏症」なんて言われそうですね。でも昔は「元気な子やな~」で終わりでした。

 しつけやマナーも、親だけでなく先生や近所の人にも教わって、いろいろな人が関わる中で「あんたはあんたなりにやりなさい」という感じでした。現代の親御さんは「早く望ましい状態に変えなきゃ」「親が教えなきゃ」という思い込みがある。子育てに熱心で素晴らしいですが、少し責任を背負いすぎかなとも感じます。

――昔は地域に受け皿があったけれど、核家族化や少子化が進んで、家庭内で解決しなければと追い込まれている状況があるのかもしれないですね。

 社会を構成する大人たちの許容度が狭まっている背景もあると思います。一方で、少しでも不快感や軋轢(あつれき)が生じると非難されるような風潮になり、大人側も「人それぞれだよね」と受け止めてもらえなくなっている。

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