中学受験で親も子も「自分軸」は育っていく

 自分で選択するためには「自分軸」が必要になります。「自分軸」は「価値観の軸」と言い換えることもできます。

 中学受験に挑戦するメリットはいろいろあると思いますが、私自身は「自分軸」を育てる絶好の機会だと思っています。受験生はもちろん、保護者にとってもそうです。

 最近は偏差値至上主義の受験から子どもと校風のマッチングを重視するご家庭が増えてきましたが、どんな学校に見学に行って、最終的にはどこを受験するのか、そのためにどんな勉強をしていくのかなど、軸がなければ選べません。

 逆に、軸があったらどんな学校行っても「置かれた場所で咲きましょう」じゃないですが、その場所を最大限に活用して生きていくことができるのです。

 とはいえ、いきなり「自分軸」を作ることは難しいと思います。

子どもにあった学校を選ぶポイント5つ

 そこで、中学受験を通して子どもの「自分軸」を育て、子どもに合った学校を選んでいくためのポイントを5つ挙げてみます。

■学校選びは親子で関わり、決定権は子どもに。

 大学受験と違って、中学受験の学校選びは親子で関わることになります。子ども自身が「ここに行きたい」という学校があればいいのですが、子どもが持っている情報は圧倒的に少ないうえに、子どもは現実的に未来のことを想像することが苦手です。

 ですから、ある程度は親が最初に選ぶ必要があるでしょう。ポイントは親が絶対NGと思う学校は除外した上で、それ以外はなるべく本人に決めさせること。

 たとえ少ない選択肢であっても、自分で決めれば成長につながります。自分で決めてうまく行けばうれしいですし、自己肯定感にもつながります。親が決めてしまうと、もしうまく行かなかったときに人のせいにしてしまうことになりがち。親子は似ているところはあっても違う人格だということを前提にすること、通うのはあくまで子どもであることをしっかり認識することが大事です。

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