■塾の言いなりにならない

 学校選びには塾のアドバイスを聞くこともあると思いますが、重要なのは、学校選択の主導権を塾に渡さないことです。本当に行きたい学校がわかるのは、子どもやご家庭によって違ってきます。4年生でわかる場合もあるし、6年生の受験直前になってようやくこの学校に行きたいと思うこともあるので、むやみに焦る必要はありません。

 塾側には「この偏差値帯ならこの学校を受けてほしい」といった戦略もあるので、学校をいろいろ見ることを勧めないケースもあります。塾と学校との癒着もあります。

 塾の都合に合わせて志望校を決めてしまうと、だんだん志望校という言葉が持つ本来の意味合いが曖昧になってしまいます。受験校と志望校はそもそも違う概念です。最終的にどこの学校を受験するのかは、お試し受験や滑り止めを含め、決めるのは直前になってもいいと思います。ただ本当に行きたい学校がどこなのかということは、家族みんなで共有して合意形成しておいたほうがいいでしょう。それが、「自分軸」づくりにもなります。

■学校見学に行ったら「3つの質問」を

 子どもを学校説明会や文化祭などに連れて行っても、なかなかリアリティーを持てないものです。そこで有効なのが、「3つの質問」です。例えば、学校見学に行ったら、「行ってきた学校のよかったところを3つ挙げて」と聞いてみましょう。同時に、「いまいちだったところも3つ挙げてみて」と聞いてみます。そうするとその子がその学校のどこがいいと思っていて、どこが悪いと思っているかの視点や価値観が見えてきます。これこそ「自分軸」の芽生えですので、どんな些細なことでも、認めてあげましょう。

■学校に通っている生徒と対話させる

 子ども自身がいちばんリアリティーを持てるようになるのは、その学校に通っている生徒と対話することだと思います。

 学校でイベントなどがあったら行って話を聞くのもいいし、紹介してもらって学外で会うのでもいいでしょう。対話をしてみて、わくわくできるか、その学校に行きたいなと思えるか、あるいは違和感がないか、というのを確認する作業はすごく大事です。もちろん生徒だけでなく、先生との対話でもいいです。体験授業に行って、何かやったときに先生が声をかけてくれて、「それがきっかけでうちの子、火がつきました」、という話をされる保護者の方も結構います。

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