心得2.高校卒業までに300万円を確実に用意しよう!
たとえば、私立大学理系の4年間の平均教育費が約551万円(参照:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」「国公私立大学の授業料の推移」)。これを18歳までにためるのは、かなりきつく感じられます。
「でも、300万円ならなんとかがんばれそうですよね。高校卒業後、次の進路に向かうときに、これだけまとまった金額があると心にも余裕が生まれます」
とはいえ、もちろん300万円では足りません。
「そうなのです。もちろん足りないのですが、これをクリアできたということは、しっかりためる習慣が定着している証拠。ですから、この先もこのペースで対処していけばいいのです」
300万円はあくまで目安ですが、大切なポイントは次の3つです。
心得3.教育費をかけられないことで「引け目」を感じる必要はない
「ほかの家庭はあんなに習い事をしているのに、うちはそこまでお金をかけてあげられない」など、教育費をかけられないことに対して子どもに引け目を感じることはない、と氏家さん。
「たくさんのご家庭の家系相談に向き合う中で、教育費が必ずしも子どもの幸せとは限らないと感じています。今は学びの場も広がっているし、昔のようにいわゆる『学歴』である程度判断されてしまうような時代でもありません。お金をたくさんかけられなくても、そのぶん親子で楽しむ時間には、かけがえのない学びがたくさんあるはずです」
たくさん習い事をするのもいいけれど、小学生時代に家族の思い出をたくさんつくることも、大きな学びにつながります。
そして、教育費準備の完走には、夫婦でわが家の「方向性」を決めておくことが必須です。
「どこを子どもの最終学歴と想定するか。それに対して、自分たちはどこまでお金を出してあげられるのか。今の家計から未来の家計をイメージすると、教育費にかけられるお金が想像できるのではないでしょうか。そこから逆算してお金をためましょう。教育費は、ゴールを意識することが完走のコツですよ!」
教育費は「毎月貯金し続けられる金額」で「できるだけ早く」始めることがいちばんの近道です。
「教育費の準備は長期間です。無理のない金額で淡々と、粛々と積み立てましょう」
(取材・文/AERA with Kids 編集部)
朝日新聞出版