私立小学校で6年間学ぶ場合、どれくらいの学費がかかるのでしょうか。さらに子どもの学びを支える教育費は、どのように用意すればよいのでしょうか。2人のお子さんを私立小学校に通わせたファイナンシャルプランナーの藤川太さんに、ご自身の経験も交えつつ、お話ししていただきました。『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2024」』(朝日新聞出版刊)から抜粋して紹介します。 

MENU 学習費捻出の目安は世帯年収1千万円 入学時の寄付金や受験対策費も想定する 祖父母の教育費援助は課税の対象外になる 想定外の出費となる学校外学習費 スクールカラーを知って志望校を決める

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 子どもの進学先として私立小学校を検討する場合に、まず気になるのが学費だろう。「私立小学校の学習費総額の推移」によると、私立小学校の学習費は、2018年度の159万9千円に対して、21年度は166万7千円と、3年間でおよそ7万円アップしている。

 ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは説明する。

「小学校の学費は、授業料、入学金など学校納付金、図書・学用品・実習材料費、教科外活動費、通学関係費など学校内でかかる費用の『学校教育費』、家庭で使う本やドリル、学習塾の費用、水泳やサッカー、ピアノ教室などの月謝など、学校外でかかる費用の『学校外活動費』『学校給食費』からなり、この三つを合計したものが『学習費総額』です」

 藤川さんは、教育費のほとんどが人件費だと指摘する。

「『学校教育費』は、インフレ化により年々上がっていますし、『学校外活動費』の上昇は塾代が上がっていることが原因です。『学校教育費』は元々少ないこともあり横ばいに近い状況ですが、『学習費総額』は今後も上昇すると考えてよいでしょう」

 21年度の学習費総額166万7千円の内訳をみると、学校教育費が96万1千円、学校給食費が4万5千円、学校外活動費が66万1千円だ。この数字をもとに計算すると、私立小学校に6年間通った場合の学校教育費は576万6千円、そして学習費総額は1千万2千円にも上る。一方、公立小学校に6年間通った場合は学校教育費39万6千円、学習費総額は211万8千円だ。学習費総額を目安にすると、私立は公立の約5倍かかることになる。

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上野裕子
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