小学生にとって、覚えるのが大変な都道府県。自分の住んでいる地域と離れたところに興味が持てなかったり、地名の漢字が読めなかったり……。都道府県名を楽しく覚えるにはどうしたらいいのでしょう。慶應義塾幼稚舎主事で、『小学生版 1日10分 日本地図をおぼえる本』の監修者でもある大野俊一先生に話を聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids23年冬号」(朝日新聞出版)からご紹介します。

MENU 暗記より、「もっと知りたい」気持ちを引き出す 47都道府県と“仲良くなる”つもりで学ぶ 日本地図を楽しく覚える5つのポイント

暗記より、「もっと知りたい」気持ちを引き出す

 都道府県の位置や特徴に、平野や山脈の名前……。3年生で配布される地図帳の学習は、覚えることも多く、学年を追うごとに「地図嫌い」になる子どももいます。

 日本地図の覚え方について、慶應義塾幼稚舎の大野俊一先生は、「丸暗記やテクニックに走らず、子どもの『知りたい』という気持ちを引き出すことが大切」と言います。その方法の一つが、実際に現地に足を運んだり、特産品を見たり食べたりといった、「五感を使った体験」です。

「旅行で栃木県に行ったら、収穫量が全国1位のイチゴを食べたり、世界遺産の日光東照宮を見に行ったり。地図に載っている県の特色を五感で感じることができます」

 その際、子どもの「もっと知りたい」気持ちを呼び起こすような親の声がけがポイントだといいます。

「『栃木らしいお土産をおばあちゃんに買っていこうよ』など、次の学びにつながるヒントを与えると、子どもが自ら問いを立て、興味を持って主体的に学ぶようになります」

 旅行の体験を祖父母や友達に伝え、知識をアウトプットすることも大切。「誰かに伝えたい思いが、より学びを深めるのです」

47都道府県と“仲良くなる”つもりで学ぶ

 とはいえ、覚えた知識を忘れるのは当たり前。大野先生いわく、都道府県と「親友になる」つもりで反復するとよいのだそう。

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AERA with Kids編集部
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