「子どもたちには『まず(その都道府県と)知り合いになろう』と伝えます。県名や場所を覚えたり忘れたりするうちに、『知り合い』が『友達』になっていく。そこで『友達のことは詳しく知りたくなるでしょ』と、青森県はねぶた祭、リンゴが生産日本一、など基礎知識を教えます。『友達』に愛着を感じて反復するうちにやがて知識が定着し、『親友』になれたらうれしいですよね」

 そのほか、都道府県かるたで遊んだり、ニュースで出てきた都道府県を家族で話し合ったりすると、より生き生きと知識が活用されます。

日本地図を楽しく覚える5つのポイント

1)旅行の体験を誰かに伝えよう

「誰かに伝えたい思い」は学びを深めます。旅先で買ったお土産を祖父母に渡すときは、「あんな所に行ったよ、こんなものを食べたよ」と話しましょう。出発前から親が「祖父母にお土産話をしようね」と伝えておくと、より主体的な学びとなります。

2)五感を使った体験で学びを深めよう

 五感を使った体験や疑似体験、追体験は学びを豊かにします。友達の旅の話を聞くことは疑似体験に、お土産の菓子を食べながら聞けば追体験にもなります。実はスーパーの買い物も問題解決型の体験です。食材の産地を見て比べたり、選んだり。料理を作ったり、食べたり、地図で調べたり。楽しく、おいしく主体的に学べます。

3)ニュースや新聞に触れて、親子で共有しよう

 覚えた知識は思い出して活用したいもの。ニュースや新聞に出てきた都道府県名は家族で共有を。「青森でねぶた祭が始まったね」。こんな会話が日常でできたらいいですね。

4)県境のわかる地図を壁に貼ろう

 3~4年生にとって高学年向けの地図は難しいもの。都道府県を覚えるには、情報が少なくても県境がはっきりとわかる地図がおすすめ。子どもが手で触れられる高さに貼ると○。

5)好きなテーマを地図と結びつけよう

 2023年夏の甲子園決勝は「慶應(神奈川)vs.仙台育英(宮城)」でした。好きなスポーツの全国大会を見るときに、どの県の代表かを地図で確認したり、Jリーグのチームがある県に色を塗ったりするのも楽しいですね。

(取材・文/AERA with Kids編集部)

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