仕事の都合で子どもに付き添えない場合には、兄弟や祖父母など依頼できる人を探しておきます。何かあったらすぐ動けるように、スケジュールは家族みんなで共有しておきましょう。

――今年は21日が木、2日が金曜日と、平日に入試が行われます。入試当日に留意したいことは。

 ラッシュアワーを避けて、その前に行動することです。2月3日までは午前、午後とダブルで受験する可能性もあるので、電車の乗り換えの方法や混む路線、昼食をとる場所などを事前にしっかりと確認しておくといいですね。

 学校によっては、1000人を超える受験生がいて駅周辺が混み合い、親子がはぐれることも想定されます。以前は、塾の先生が校門付近で待機していましたが、コロナ禍以降はそれができなくなりました。子どもが不安にならないよう、はぐれても心配せず学校の指示に従うように言い聞かせておきましょう。子どもの荷物は、渡し忘れを防ぐため、親が持つのではなく自分で持たせたほうが安心です。

 午前、午後と連日続くのは体力的にもきついのですが、チャンスが広がるわけですから、がんばって集中力を途切れさせないようにしてください。過去には昼食時に、喫茶店で子どもを5~10分仮眠させてから午後入試に向かう保護者もいましたね。

友達とは連絡を取らないほうがいい?

――ライバルでもある受験生の友人たちとは、どんな距離で接したらいいのでしょう。

 リスクを減らすためにも、同じ学校だからと友達同士で誘い合ったりしない方がいいです。塾の仲間が入試で同室になった場合、答え合わせをすると不安になるので、試験の話題は避けましょう。そのほうが、次の科目を平常心で受けることができます。終わった後、友達に結果がどうだったのかを尋ねないのもエチケットです。

 今はWEBで直前まで出願できるため、便利になった半面、併願校を決めるのに右往左往してしまうケースもあるようです。本来はもっと前に決めておくべきですが、ぎりぎりになって迷ったら、塾の先生に相談してください。

――中学受験は、第1志望に合格する生徒が3割だと言われています。もし不合格だったとき、親がとってはいけない態度、言葉は。

 本人の前で、がっかりした態度をとらないことが一番大切です。『どうしてだめだったの』といったネガティブな言葉は慎みましょう。『Nちゃんはどうだったの』など、同じ学校を受けた友達の結果を聞くのもNGです。『今回はおしかったね!明日はきっと大丈夫だからがんばろうね』と、ポジティブな言葉をかけてあげてください。

 ただし試験の内容を見直し、どこが悪かったのか、どこでミスをしたのかを分析することは大事です。そのうえで『次は、ここでミスしないようにしようね』と、注意を促してあげましょう。

 合格したら、すぐに手続きをすること。実は、たまに合格後の手続きを失念してしまう保護者もいるんですよ。最近は出願が簡便になっているため、つい忘れてしまうようです。せっかく合格しても、手続きの締め切り過ぎるとその学校に進学できません。事務的な手続きは、早め早めに済ませておくことをおすすめします。

(聞き手/柿崎明子)

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ライター 柿崎明子
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