今、ふたりの間の流れが、友だちからの一方的なものしかないから、流れを変えてみるんだ。どちらかというとくま美ちゃんは受け身になっているから、こっちから提案してみるっていうね。友だちからの誘いを断る理由のひとつに、自分の主体的な時間が奪われちゃうみたいなことがあると思うんだ。もちろん、全ての誘いに誘い返す必要はないけど、1回くらい試すのはどうかな。
もうひとつ、誘い返す方法があるよ。それは、断るときに次を提案するっていう方法。相談文を読むに、くま美ちゃんはその友だちと遊びたくないわけじゃないと思うから、そういう方法もありなのかな、って。
例えば、「今日はいとこが来るから遊べない。でも、次のいついつだったら遊べるよ」ってね。次の予定を提案すれば、きっとその友だちも納得するだろうし、くま美ちゃんは自分の都合のいい日を選択できるよね。今はずっと友だちのターンだから、くま美ちゃんのターンを増やすことで流れが変わるかもしれない。
気持ちを伝える有効な手段として、手紙っていうのもあると思う。「怒るのも嫌」というくま美ちゃんだから、きっと丁寧で相手を思いやった文章が書けるんじゃないかな。「●●ちゃん、いつも遊びに誘ってくれてありがとう。●●ちゃんと遊んでいるときは、いつも楽しいよ。だけど、自分のやりたいこともあるから、遊べないときは受け入れてほしいな」とかね。
「本を読みたい」っていうのも、「私には一人で集中する時間が必要なんだよね」って丁寧に説明してみるとか。同じ内容だとしても、口で伝えるのと文字で伝えるのでは伝わり方が全然違うと思うんだ。気持ちがこもるというか、重みが出るというか……。だから、紙にもこだわって、ペラペラの紙ではなくてきれいな便せんを用意してみることを提案するよ!
きっとくま美ちゃんが優しいから詰め寄っちゃうし、しつこく聞いちゃうんだろうな。でも、くま美ちゃんが心を鬼にすることなく友だちとの関係性を変えられる方法を考えると、やっぱり伝え方が大事なのかな、ってよしおは思ったよ。
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