■戦い慣れすることは大事

安浪:ただ塾なし受験って難しいところもあって。やはりいちばんはタイムマネジメントでしょうね。あとは自分の立ち位置が把握しづらい、ということだと思います。でもこのご質問者さんはテストで立ち位置を確認しています、とおっしゃっているので大丈夫なのかな。

矢萩:自分の現在地というのはレベル感もそうですが、設定した目標を達成するために何を知るべきなのか、できるようになるべきなのかを考えたうえで、現状何を知っていて、何を知らないのかをきちんと把握することが大事ですね。

安浪:はい。あとは戦い慣れすることも大事です。そのためにはやはり通信教育のテストだけでなく、アウェーのテストを受けにいくことですね。首都圏模試や四谷大塚、サピックス、関西だったら五ツ木、浜学園、日能研など、みんなが受けているようなテストを会場で受ける経験をすることが必要です。会場にはすごい人数がいて、ダラダラしている子もいれば、カーッと解く子もいるという環境でテストを受ける経験が圧倒的に大事です。6年生になったらぜひチャレンジしてみてください。

矢萩:もし4科目で受験をするなら過去問対策も必要になってきます。志望校ではどういう問題が出るのかを確認して、科目ごとにどのような問題を優先的に解くのかを戦略的に見定めたほうがいいですね。すべての問題が解ける必要はありませんから、得手不得手に合わせることが大事です。

安浪:学校別の対策は6年の秋ぐらいから過去問やり込めばよいでしょうか、とよく聞かれるんですが、最難関校かそれ以外かによって打ち手が変わっていきます。最難関校は学校によって全くカラーが違うので、開成特訓とか灘特訓とか、塾が用意している学校名のついたいわゆる冠特訓というものを取らないと、ご家庭だけではやはり厳しいと思います。ご家庭では解けないレベルの問題も多いですから。ただ、そうじゃない難関校以下であれば、家で対策できなくはないです。過去問をむやみにやるのではなく、どういう問題がよく出て一問を何分ぐらいで解かなきゃいけないのかとか、いつもこの場所にある問題は捨てていいよね、などを分析して、そのうえで過去問をやり込んでいく順序ですね。

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