「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は受験勉強とスポーツとの両立についてです。

MENU ■成績は「時間をかけただけ上がる」ものではない やめたくないと言っている本当の理由は? 土日が埋まる場合、模試をどうするか

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【相談】

息子はスポーツ少年でサッカーをしています。平日はほぼ毎日、土日もサッカーでヘトヘトになってしまいます。本人はやめたくないと言っています。塾の先生に相談しても勉強以外に一生懸命取り組めるものがあるのはいいことなので、やめないほうがいいと言われました。私はやめて勉強に専念してほしいのと思うのですが、先生方の意見を伺いたいです。(小5男子の母)
 

■成績は「時間をかけただけ上がる」ものではない

安浪:「私はやめて勉強に専念してほしい」というところ、どうしても突っ込みたくなりますね。

矢萩:本人の希望よりも、ご自分の願いが優先されてしまっていますね。主体性は成長の要です。

安浪:この問題はすごく簡単で、サッカーをやめたら、子どもは勉強に全振りするのかって考えたらいいいと思います。きっとしないですよ。それどころか、「親に無理やりやめさせられた」とか「本当はあの時、僕はサッカーしたかったんだ」とか、変な火種を作ってしまうかもしれないです。

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安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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